小庭でじっくりと調理する時間
三千百九十四時間前、
湿り気のある土の上に小さい椅子があって、そこに腰を降ろして会話をしています。
僕はいつだって腰を降ろすのが好きだ。多分明日も明後日もどんな場所でも僕は腰を降ろしている。
注文から五十時間経っている。
ここではあるものを取ってくるのではなく、無いものを探してくるため、とてつもなく恐ろしいくらいに時間が掛かるらしい。
A4のコピー用紙を3枚並べたくらいの小さい机を挟む、僕は相手に気にせず肘を机の上に突きだして頬杖をつく。
実際、退屈なんて幾らでも無限に潰す事なら出来る。
でもそうじゃなくて、
俺はただ、退屈の中でぼーっとしていたいんだ。
「ああなんで、いつから僕は、ぼーっとする事が難しくなってしまったのだろう。」
無限に伸びた髪が気になる。
以前見た夢で僕はふわふわの白いパーカーを来ていてボッサボサの頭をしていて、それよりも顎の髭がもみあげと繋がっていて、そんな事は生まれてこの方まったく無かったものだから、ほんとうにそれに動揺していた。
どうしよう、これじゃ人前に出れないよ~。トホホ。
「誰かの良い悪いに良い悪いと思うだけだなんて、それなら別に僕はそこにいなくて良いんじゃないかって気持ちになるだろ。」
う~ん。
「そう思わないか?思え、思えよ。そして気づくんだ。はやく。」
はやく、はやく、注文が来ない。
あるものを使うのではなく無いものを使おうとすると、やっぱしとっても時間が掛かるらしい。でも僕らの仕事って無い物を作るんだろ?
違うそうじゃない、あるものを使うんだ。あるというのはやっぱし無いものに比べてそこにある程の物なのだから理由があるんだよ。そこを探すんだよ。僕らの仕事は無いものを作るんじゃない、無い物を探すんだよ。
配給の列には沢山の人が並んでいて、みんな先頭の良い悪いに同意して並んでる。縦の意志は人の意志。横の意志は、、神はいなくて、みんな数を増やそうと躍起になってる。
どの列に並べばいいか分からない、並ばなくていいよ。でも、行き先さえ決まって無いのに迷子になったような気分になったことはないかい?
そんな時は「ええ~それはひどいなあ。僕はそんなこと思わないよ。」って本音に近道を教えてあげるのが一番いいらしい。
あああ。閉店の時間だ、靴が半穿きでも店を追い出される、
ほんとう、ありがとうございます、
明日も頑張ってくださいね。
僕、応援してます。