2016年4月3日。

桜が咲いた隅田川沿いを散策。

腰を据えてたこ焼きとフランクフルトを食べながら目の前をぼーっと見つめる。
沢山の水上バスや屋形船が川の上を行き交い、向こう岸にはポンポンと小さく桜並木と提灯が見える。

股に挟んだ缶コーヒーのボトルのフタを右手で開ける(左手にはたこ焼きがあるから)。
口中が甘ったるくなってお茶が飲みたいなと思う頃、川と僕達を挟む柵に掛けられた救助浮き輪の注意書きに目が行く。

「あの浮き輪のイラストが浮いてる様に見える」

水色の背景にオレンジと白のシマシマ模様で描かれた浮き輪。それはその色同士が反対色だからチカチカに見えてしまうんだよ。

「そんな科学的な説明はそれが正しくてもつまんないよ」

物事に思いを巡らせる事、
知ってることより知らないことに気づく事が大事なんだとつくづく思う。

だってそれはどうしてだけどもどうでもいいことなのかもしれない。同じ事なのかもしれない、世の中どうでもいいしあほくさいと思うかもしれない、でもそれは絶望だと思う。だからこそ価値を見出していきたいと思う。

その日は沢山歩いた。