中央線から向かう場合、中野駅で東西線に乗りかえて東陽町からバスに乗って向かうのが通だ。
東陽町駅のデイリーヤマザキには手作りのパンや豆大福やおにぎりがあるし、鯖パンとかかなりチャレンジャーな食べ物もあるし、50円のチョコケーキ(駄菓子の)やノアールが山積みされていて。それを見るだけでもパワーが貰える。生きる活力が満ち溢れているのだ。
バスは1時間に2本か1本しかこないから前もって時間を計算してバス停で待つようにする。乗車して15〜20分くらいで若洲キャンプ場前に着く。君は途中で見るいつも見るローソンとは微妙に違うPORT STOREに興奮を覚えるかもしれない。
カニの形をした時計台(手足がちゃんと10本ある)を通り過ぎれば若洲海浜公園だ。
眼前、対岸越しを跨ぐ東京ゲートブリッジは夏場以外は16:30までしか入場ができないので着き次第早めに渡った方がいい。だってそこはとても見晴らしが良いから。ゲームの背景みたいに綺麗に並ぶ都心のビルを見ることが出来る。うっすらと空に混じってるようなそんな色が好き。
今は渡れる事はできないけど、近いうちにきっと中央防波堤側、海の森公園へも行けるようになるだろう。
ゲートブリッジから戻ったら、その辺を散策して見晴らしの良いところで携帯チェア(ロッキング付き!)を展開して座る。
デイリーヤマザキで買ったコーヒーとパンを食べる。ロッキングでユラユラしながら遠くを行き交うタンカーや貨物船を眺める。スマホは極力見ない(難しい)。
ここまでいくと自分は自分のことをやっと考えられるようになる。
でも大抵自分のことを考えると中々そういう機会がないから結局毎回同じ様なことを考え始めてしまう。だからもっと、こういう機会を強制的に設けるべきだ。
帰りはバスではなく、シェアバイクを使う。これは最近覚えた方法。
登録は死ぬほどめんどくさかったけど一度すればiPhoneをかざすだけで乗れるようになる。
道路は走らずなるべく海岸沿いを走る。東京都港湾局東京ヘリポート横に伸びる新木場緑道公園はおすすめのサイクリングロードだ。
入り口から少し入って角っこにあるベンチは本当に自分が好きな場所。騙されたと思って一度は行ってみてほしい。何がいいって角にあるから視界がパノラマに海へ開いてるんだな、それでいて寂しい感じがとてもよい。
再び自転車を走らせてイルカの壁画と遠くでボゥっと光る葛西臨海公園の観覧車を眺めながら公園を出る。途中大きな橋の下で高い外壁に登りぼーっとしてるおじさんに出会う。いつか真似をしたい。
車道に出るともう家に着いてからの事を考えてる、仕事のことだったり晩御飯の献立だったり。
新木場駅についたら自転車を返す。そこから有楽町線に乗って家路につく。
そういう休日の過ごし方。
時間が無くなって焦って最後はゆっくりと諦めていくその感情にどこか人の一生と人生の縮図の様な物を感じた。絵が描けない、自分の思うような作品が作れない。作れないというよりは”思う”事が出来ない。
終電前、渋谷駅への道を歩く。
桜ヶ丘の解体工事のまっ白い壁が延々と城壁の様に並ぶ。キャンバスに見えた。自分が描く絵はどんな場所にあるのだろう。小綺麗な格好をした人が前を歩く、自分はなんて無頓着な格好をしているのだろう。
いつもいつも、真っ暗で何もない、人は人生はそれを、いや、自分だけだ。自分の様な燻っただけの人間は真っ暗な中にいて自分の光から反射するものを見ない。弱すぎるし、光を出さない。
蛾の様に光を求めて届かない光を羽をボロボロにしながら射幸感だけを求め、その気持ちで真っ暗闇から逃げているだけだ。
悔しい、悔しいという気持ちに向き合ってほしい。何もないんだということを、そういった絶望の中で生きて欲しい。
細長い廊下みたいな部屋に泊まった。
赤と白のおしゃれな家具。
下の階でみんなで映画を観る。
みんな親切だけど言葉がわからない。
砂時計を置く。
15分の砂時計を机の前に置く。
帰宅後砂時計をひっくり返し、
15分間は机に座ろうと思う。
みんなはどうだった?
2018年。
自分はざっくり言えば前半はトントン、年末にかけてビックリするくらい忙しかった。あんまし表立った物や事はしてないなと思ったけど、それは真面目に読み物系アプリの開発に凝っていたから。随分完成している、でも先述の繁忙でぶっ飛んでしまった。本当に何から続きを始めればいいかクシャクシャになった紙を広げる所から初めなくちゃいけないけど、それは悪い事ではないなと思っている。なによりどの案件も気持ちが合うクライアントさん達と仕事が出来て本当に良かった。
仕事を通じて社会の中でどう自分は向き合うか、これはネタじゃないんだけど年の始めにインフルエンザでファミ詣を欠席してしまった時にたまたま読み始めた「解体屋ゲン」を読み始めて色々自分の中に意識の変化があったと思う。自分にしか出来ないこと、自分なら出来ることを、色んな事に参ってきたら暫くはゲンさんの言葉を借りてがんばろうと思う。
生活の面も自炊を真面目に始めた事に加えて、遂に長年住み慣れた高円寺を離れ西へ引っ越した。ここ数年無かった大きな転機だった。何にも無い所だけど、色々あり過ぎる事に辟易してしまっていた自分には丁度良い。今は生活を少しの知恵や工夫でよりよく良くしていく事が楽しい。正月休みを利用して街へ繰り出して目当てのホットサンドメーカーを買う。紙袋に入ったそれを抱え家路に着く。いつもAmazonで買い物していた自分にとってそういう当たり前がとても尊い。
よほどの失敗が無ければ、多分、自分はこの家で歳を取っていくのだろう。そう考えると時間を潰す様な生き方はしたくないと背筋が伸びる。
生産的であれ。そして願わくば、これからの人生で自分に関わってくれる全ての人々にほんの少しでも良い影響を与える事ができればと思う。