Ringoがやってくる。
Ringo、Blipが終わって日本に帰ってからイベントや他の事も色々挟みながらコツコツ作っていたけど、
やっとAppStoreに申請を出したところまで行けた。そう、あのRingoのiPhone版がうまく行けばそろそろリリースされる。
今回は一息ついたらAndroid版も出せるかも。出したほうがいいよね。
需要は必ずあるはず。
僕は個人的には日本特有の携帯文化は良いところ悪いところ含めてAndroidが引き継いでいくのかなあと思ってる。最終的にはハードやらOSは全部関係無くなるとは思うけど。
でも僕は今ここでそんなTechCrunch的な俺達時代の最先端的★な書くんじゃなくて、もう少し救いようのない事をダラダラと垂れ流すあるんじゃないかと思う。
りんごをただひたすらに広い続けるゲーム、「Ringo」を一番最初にリリースしたのは今から3年くらい前の2008年の9月3日だ。
あの時の僕は頭の中が丁度よい感じにショートケーキの断面図みたいにクリームっぽいっところとスポンジっぽいところ組み合わされていてYouTubeにゲームボーイで作った音源を奇っ怪な言葉と共に頻繁にアップしたり、栗しぐれおいしいって思っていたり、なぜかゴールデン街でとびきりキュートなニューハーフの子に恋をする夢を見たり、閉店前のOKストアでチキンカツカレーが半額で買えたらいいなと思ったり、じゃがりこのチーズ味食べながらああはやく人間になりたいと望んだり、もう栗しぐれおいしいって、つまり回りに気を使ってブレーキを掛ける必要のない環境だった感じなので、
ああ携帯で、こんな手のひらの小さい機械でりんご、りんご拾えたら、永遠にりんご拾えたらむっちゃ楽しいだろうなあ。りんご拾ってぷぁーってなって、またりんご拾って繰り返してそんな滑らかな座標移動を僕も一端のプロっぽく実装出来たらもしかしたらカッコいいのかもしれないっと思ってそれより服買ったり眉毛整えたり散髪行って身なり整えたほうがカッコいいに近づけるのかもしれないのに
とにかく僕は僕自身の救済のために作品を生み出すしかなかった。
(展示も近かった)
深夜の生田のガストでプログラミングを開始する。仕事場で見たFlashゲーム、あんなに滑らかにキャラクターが動いてた。僕のFlashでは未だヒトマのカクカクpc._x += 2;的な移動が限界だ。
ちっくしょうどうやったら動くんだ。でも僕がこの間購入した携帯Flash本に書いてあった滑らかなページスクロールの実装方法のあの数式をぶっこんであとはちょっとゴニョっとすればうまくいくんじゃないだろうか?
僕の思惑はみごと当たり、画面の中の少年がまるでスケートリングの上にいるかの様に滑りだした。あの時はやってやったぜ!へへと思った。
実際その基本的な少年の動き方の考えは3年経った今でも変わってない。だからこう、昔が懐かしくなってくるのだね。
このゲームの目的は?とよく聞かれる。
このゲームの目的は
「りんごを拾う事」が目的だ。
コンボや敵は出てこないのかと聞かれる。
このゲームは「りんごを拾えればいい」ので既存のゲームにあるようなシステムは必要ない。
もしそのような機能を実装させたらどうなるだろう?そしたらこのゲームは
「りんごを拾ってコンボを出すゲーム」に変わってしまうだろう。目的が変わってしまう。
それは作品のアイデンティティの崩壊を意味する。
もっとも僕にそういった機能をささっと実装する能力が無いのも理由の1つだけど、そういうゲーム性の高いアプリは既に世の中に沢山あって沢山の人達がそれを遊んでいる事実があるという事も大きい理由だ。僕が脳みそ汁振り絞ってそれをいわゆる「標準」に近づけるメリットはどこにもない。
Ringoは補うアプリだと思う。
りんごを拾うと不特定多数のドットの形と言葉が画面にぽっと出てくる。例えば
「ひとりで かえろ」という言葉が出てくる。
その言葉はある人にとっては
「一人で帰ろ」かもしれないし、
他の人にとっては
「一人で変えろ」と受け止めるかもしれない。
だからゲームの世界の設定に没頭するというよりは、自分の記憶の引き出しを覗きながらプレイしてほしい。まるで夢をみるようにプレイしてほしい。眠れない時にプレイしてほしい。布団の中にでも潜りながら。
誰でも漠然とした不安を抱えることはあると思う。どこか心の中で穴は空いてるものだ。
それを埋めるために既存のゲームにあるような完成された世界に自分の分身を作って身を委ねるのも悪く無いとは思う。
でも、たまには「りんごを拾う」事だけに徹して自分の頭の中を冒険してみるのも悪くないだろう。
すべて人に対して時間は平等の速さで流れている。君がその手のひらの中で、素晴らしいゲームをやって地球の危機を救おうが、ただりんごを延々と拾っていようが世の中で起きてる事は変わらないのだから。
Ringoは現在AppStoreへ掲載するためApple側に審査を申請中です。
申請却下を受けなければ早くて今週中リリース?の予定です。
リリースされた際はTwitterではしゃいだり、
このBlogでもお知らせしますので宜しくどうぞ!